社会保険と一般的には厚生年金保険及び健康保険を示します。ただ、ここでは広義の社会保険として、以下労働保険(雇用保険・労災保険)と社会保険(厚生年金保険・健康保険・介護保険)に分けて説明します。

Ⅰ.労働保険(雇用保険・労災保険)

労働者(パートタイマー、アルバイト含む。)を一人でも雇用していれば、業種・規模の如何を問わず労働保険の適用事業となり、事業主は成立(加入)手続を行い、労働保険料を納付しなければなりません(農林水産の一部の事業は除きます。)。

飲食店を経営する方は、事業主一人または家族従事者のみという以外はこれに該当することなります。

労働時間が1週間20時間未満の従業員(パート・アルバイト含む。)が1人でも在籍している場合は労災保険のみの適用事業所となります。

労働時間が1週間20時間以上の従業員(パート・アルバイト含む。)が1人以上在籍している場合は労災保険と雇用保険の両方の適用事業所となります。

加入手続と保険料納付手続きは、所轄の労働基準監督署及び所轄のハローワークとなり、上記の要件によっては変わってきますので、確認が必要です。

Ⅱ.社会保険(厚生年金保険・健康保険・介護保険)

社会保険の「強制適用事業所」とは

社会保険の強制適用事業所は、事業主や従業員の意思にかかわらず、健康保険や厚生年金保険などの社会保険への加入が義務付けられており、加入の手続きを取らないと法律で罰せられます。

適用対象の事業所

•事業主を含む従業員1人以上の会社、国や地方公共団体などの法人
•常時使用の従業員が5人以上いる、一部の業種を除く個人事業所

上記のように、法人は個人事業所もそのほとんどが強制適用事業所となりますが、常時使用の従業員の数や業種によっては、その対象外となる場合もあります。たとえば、常時使用の従業員が5人未満の個人事業所や、5人以上の個人事業所でも理美容業、飲食業などのサービス業、農林漁業などの場合は強制適用事業所とはなりません。ただ、それらの事業所は一定の要件を満たし、申請をすることで社会保険が適用されるようになります。